富士山を一望できる家と風呂

麓から富士山への眺望を独り占めできる立地で、丁寧に住み継がれてきた日本の典型的な一軒家を、フルリノベーションしました。 開発が制限された静かで豊かな街並みに配慮して、外観は極力そのままに調整し、デザインを整えるに留めつつ、内部は広々としたキッチンのあるリビングルーム、3つのベッドルーム、そして富士山の見えるお風呂という構成にしました。

1階にあるリビングルームはデッキスペースと繋がり、周囲を気にせずに田園風景と富士山の移り行く様子を堪能ができます。 ベッドルームは、日本家屋独特の内と外との境界と言える”縁側”を現代的な解釈で表現した主寝室(1階)、畳の小あがりのあるモダンな和室(1階)、テラスと机のある書斎(2階)があり、いずれも日本的なミニマルなデザインとして、日本家屋のスケールは残しながら快適な空間にこだわりました。

また、2階のお風呂は広々とした浴槽から富士山を目の前に見ることができる、特別な空間となりました。家具は地元の材料でもある富士檜を使って、共通した造り方で組み上げたオリジナル家具を中心に、日本各地から程よい日常品を取り寄せました。

住み継がれてきたディテールを読み解きながら、残すものと更新するものを丁寧に紐解くようにデザインを行い、地元の職人たちと一緒に、ささやかな、ここにしかない環境と体験を目指しました。

建築デザイン: upsetters architects
施工: 稲田プランニング(富士宮市) / 富士檜 木工家具: ヒノキクラフト(静岡市) / ソファー: クリキンディ株式会社
物件写真: Daisuke Shima